photo 畑田耕一(畑田家住宅活用保存会から許可を得て転載)
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畑田家は大阪府羽曳野市郡戸470番地に所在し、江戸時代以来郡戸地区の重要な役割を果たしてきた。平成11年2月19日、国の文化財保護審議会で、羽曳野市では初めて、国の登録有形文化財に選ばれた。
広い敷地の北側東に主屋が、南側に道路に面した長屋門とそれに続く二棟の蔵があり、庄屋屋敷としての格式を伝えている。主屋前庭を囲むように、西側に大きな納屋があり、東側には道路に接して井戸、湯屋、厠を含む付属屋があって、長屋門との間が塀で結ばれ、街路沿いの景観を整えている。主屋と納屋の西側に裏庭があり、塀で囲まれている。
主屋はつし二階を持つ田の字型平面に座敷がつき、土間の梁架構は古い伝統をよく伝えている。2棟の蔵は東、中、西蔵の3室に分かれ、東蔵は家具、什器の貯蔵とかき餅の乾燥貯蔵に、また中蔵は米蔵に使われていた。これらに長屋門、付属屋、納屋を配した屋敷構えは明治期の旧家の趣をよく残しており、特に白漆喰塗りの外観の意匠は優れていて、羽曳野市を代表する建造物の一つということができる。
建立年代は確定できないが、主屋は明治20年(1887)頃の再建と伝えられ、部材の経年の度合いなどからみても妥当で、他の建物も同時期の建築とみられる。
「登録有形文化財 畑田家住宅」のしおりより |